〈あじかん〉は、観光気分で、ガイドさんと一緒にアジ美トリエンナーレをまわってみるアートツアーです。出発前のガイダンスのため、福岡アジア美術館のロビーに、みなさんお集まりいただきました。
最初に、〈カメラ〉(下写真:中央の男性が首から下げているデジカメ)について。今回、〈あじかん〉に参加された方が展示作品をカメラでパシャパシャ撮ることにつき、
一橋大学の安川研究室の調査プロジェクトにご協力いただきました。
このプロジェクトでは、鑑賞者はカメラを貸し出され、それぞれ自由に作品を撮り、最後に自分の撮った画像についてインタビューを受けます。そうしたプロジェクトを通じて、鑑賞者とアートとの、今までとは違った関係を調査してらっしゃいます。(なおプロジェクト参加者は、自分の撮った画像の何枚かをプリントアウトして、持ち帰ることができます。)
今回は特別に、安川先生にご協力いただき、〈あじかん〉の参加者みなさんに、カメラを貸し出していただきました。安川先生と研究室のみなさま、ご協力ありがとうございました!

本日ガイドを務めていただくのは、ホリカワリサさん(下写真中央左:福岡アジア美術館)です。
添乗員ヤマウチ(中央右:ドネルモエクスプレス社)が、〈あじかん〉のコンセプトなど、ガイダンスを進めていきます。ここではコンセプト部分を紹介しましょう。
・・・本日の〈あじかん〉のことについて、若干説明させていただきます。
当ツアーは、美術館の中の各名所をツアーで回る、新感覚のアートツアーです。これは、簡単に申しますと、「観光客ごっこ」をするというものです。観光地は、それぞれの作品です。ガイドさんが、解説をしてくれます。それを、あたかも観光客のように聞くというゲームだと思っていただけたらと思います。
こうした「ごっこ」は、おふざけのように見えて、実はまじめな意味があります。ここでは簡単にお話させていただきますね。
通常、美術館では静かに黙って、じっくり作品を見るというのが普通かと思います。そこには、作品を、曇りなき眼で自由な感性で、真剣に見るべし、という思想があります。
もっとも「作品を自由に感じてください」というのは、一見自由なようで、実は難しい。とくに現代アートとなればなおさらでしょう。でも逆に、「この作品にはこれこれこういう背景があって」と言われるのをただじっと聞くのも、なんだがお勉強のようですよね。
そこでドネルモエクスプレスでは、もっとお遊び的な感覚で美術館と付き合うあり方を提案させていただきます。それが〈あじかん〉です。観光地でガイドさんの説明を聞いているような気分で、作品を見てみよう、というのが、〈あじかん〉のコンセプトです。
〈あじかん〉は、観光客が観光地ではしゃぎ、驚き、感銘の声を上げる、そうしたミーハーな感性に、アートに接する上で大事な「初めての感覚」があると考えています。そうした「はじめての感覚」を、観光客ごっこでリフレッシュいたしましょう。・・・
といった感じです。今回は「修学旅行編」ということで、学生服(のコスプレ?)で来られた方もいらっしゃいました。

〈あじかん〉は観光客「ごっこ」です。だから、以下のようなルールを設け、「あじかん 旅のしおり」に記載し、みなさんにお渡しいたしました。
参加者のみなさんには、このルールに則って、ツアーをしていただくことに・・・。
【あじかんの5つのおやくそく】
●移動は電車ごっこです!
→移動する際は、運転士さんのうしろに2列で歩きましょう。最後尾は車掌です。列から外れないよう、十分ご注意くださいませ。
●観光地前(作品前)についたら...
→観光地(作品)前につくと、ガイドさんが「こちらが~でございます」と紹介します。そうしたら、必ず、「おお!」と感銘の声を上げましょう。カメラをお持ちの方は、すごい勢いでパシャパシャ撮りましょう。ここではミーハーであることこそ、美徳なのです。
●ガイドさんと添乗員のお話は...
→観光地(作品)を前に、ガイドさんが解説をし、添乗員が相槌を打ちます。みなさんは、「ほうほう」「へえ~」と熱心にうなづきましょう。わかっている振りをするのがポイントです。
●わからないことは、何でも質問しましょう!
→みなさんが見ているのはアート作品ではなく、観光地です。気が付いたことやわからないことは、気がねすることなく、何でも質問しましょう。トリビアであればあるほど、高得点です。
●記念写真をこまめに撮りましょう
→観光地といえば記念写真。観光地(作品)を立ち去る前に、ポーズを決めて、ハイチーズ!
恥ずかしがらず、〈ごっこ〉することが、ポイントです。そこのところ、お願いいたします!

なお今回は、「修学旅行編」ということで、特別オプションとして、〈学校の先生〉をご用意いたしました。コガトオル先生(下写真:中央右:九州大学准教授)です。あたかも、先日アジ美を訪れたカン・○ンジュン(○大教授)のような立ち振る舞い(話し方からバックの持ち方!まで)で、引率していただきました。

さて、最終確認の点呼が終わったら、いよいよアート・ツアーに出発です!
〈あじかん〉の旗を持った運転士(マエハラカズミツ:ドネルモ)を先頭に、ドネルモエクスプレスが会場へと進んでいきます。

・・・・・・ごめんなさい。
出展作品の著作権上の問題から、残念ながら、トリエンナーレの会場内でのツアーの様子をwebにて公開することはできないのです。
〈あじかん〉では、次の作品をツアーしました。
●ホァン・ヨンピン : アーティストは野獣使い?
●ツァイ・グォチァン : ゲイジツは爆発だ!破壊から創造を生み出す世界的スター
●スボード・グプタ : キラキラ回転する都市
●ウー・ジエンアン : 都会育ちのオタクが生み出した、全くあたらしいかたちの「民俗芸術」
●アンキ・プルバンドノ : 「うめぼし?」「いいえ、リンゴです。」
●アン・ジョンジュ : ビデアノ コミュニケーション、ディスコミニケーション
●ヤスミン&ロニ : バングラデシュの港 解体される巨大な船、そこにかかわる人間の姿
●シュ・ビン : 中国が誇る天才文字博士の過去と現在
●シャジア・シカンダー : 細密画の解体と再構成
●チウ・ジージェ : 中国の治水をめぐるトンデモ本
●冷泉荘の作品
〈あじかん〉でのやりとりを、ちょっとだけ再現しておくと、こんなかんじでした。
・・・「世界的スター」の作品を前に・・・
ガイドさん:「この作品について、質問ある方、いらっしゃいますか?」
学生:「これって、いくらしたんですか?」
ガイドさん:「買った時は、○○円くらいでした。でも今、アート市場では価格が高騰していて、作品価格は、だいたい○○○円(約10倍)になっています。」
学生:「そのお金って、どこから出てるんですか?」
ガイドさん:「みなさまからの大切な税金です!良い投資をしたと考えていただけたら(笑)。」
・・・あるいは・・・
ガイドさん:「この作品について、質問ある方、いらっしゃいますか?」
男子学生:「あのー、ガイドさんって、彼氏いますか?」
ガイドさん:「内緒です!」
一同:「えーーーー」
そんなお気楽なやり取りから、作品をめぐる真摯な対話まで。あらゆるレベルの質問に、ガイドを務めてくださったホリカワさんは、時に気さくに、また時に豊富な専門知識に裏付けされたわかりやすさでもって、実に見事に応えてらっしゃいました。さすがです!
面白かったのは、「観光ごっこ」のつもりで始まったこのアートツアーが、次第に、まじめなアートツアー(ギャラリートーク)になっていったことでした。つまり最初のほうこそ、「ほうほう」「へー」といったわざとらしい反応をしていたみなさんも、ツアーが進むにつれ、熱心にガイドさんの解説に聞き入り、いたって真面目な質疑応答がなされたのでした。
そんなこんなで、リバレイン7階のアジ美をめぐるツアーは、約1時間半で終了。
ガイドさんと一緒の観光ツアーといえば、やはり最後は、みんなそろって記念写真でしょう。みなさんの「いかにも」な満面の笑みが、アート鑑賞の充実を物語っております。

さてカフェでちょっと休憩&座談会(←後日、トークアラウンドにてアップ予定)をした後、今度は、冷泉荘でのトリエンナーレ展示、そして大春湯で開催された
野村誠さん「お湯の音楽会」(←素晴らしかったです!)に移動します。ドネルモエクスプレスは〈電車みたいな何か〉ですから、二列縦隊で進みます。

座談会やツアー終了後の打ち上げでは、お越しくださったみなさまと、ガイドのホリカワさん、そしてドネルモスタッフの間で、アジ美の話題を中心に、アー
トや美術館、鑑賞のあり方etc、いろいろな話で盛り上がりました。その内容は、後日、トークアラウンドにてアップいたします。

参加されたお客さまからは、
「聞いてみたいけど聞けないなあ、と思ってたことを、ガイドさんに気軽を聞けました!」
「美術館で、友達とあれこれ喋りながら観るほうなので、こうやってあっぴろげに話しのできる機会は、ありがたかったです!」
「ツアー形式ということで仕方ないかもしれませんが、もっとじっくり、作品を観たかったです。」
などなど、いろいろとご意見・ご感想をいただきました。
今回はご参加くださり、ありがとうございました!
ドネルモエクスプレス社では、こうしたアートツアーを今後もご提案できたらと考えております。
では、またの機会に。

「あじかん ~アジ美トリエンナーレ観光ツアー~ 修学旅行編」
- 日時 : 10月31日(土)午後1時~4時
- スケジュール : 点呼→アートツアー(1時間半)→自由時間(1時間)→カフェで座談会(30分程度)
- 集合場所 : 福岡アジア美術館(リバレイン7階)
- ツアー料金 : 無料(当日は学生証を必ずお持ちください)
- 定員 : 20名(先着順。最小催行人数:2名)
- お申し込み方法:下記の連絡先にお名前と連絡先、人数をお伝え下さい。
- お問い合わせ :
[mail] donnerlemot@gmail.com
[tel] 08064228910(ヤマウチ) - 当日お持ち頂くもの:
いかにも田舎の高校生っぽい、オノボリさん的な何か、あるいは若気の至り的な何か(必須ではありません!)
★必須アイテムの《カメラ》はこちらでご準備いたします!
あじかんstaff
ガイドさん : ホリカワリサ(福岡アジア美術館)
添乗員 : ヤマウチユタカ(ドネルモ)
運転士 : マエハラカズミツ(ドネルモ)
車掌 : ミヤタサトシ(ドネルモ)
引率の先生 : コガトオル(九州大学)
フライヤーデザイン : ノム
主催 : ドネルモエクスプレス社(九州大学古賀研究室内)
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