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デルタポップ@ビーチ


写真:梅田ひとみ、古賀琢磨
構成:笹野正和、古賀琢磨
テキスト:古賀琢磨

今回のデルタポップは海です、屋外です。フクオカはシーサイドももち海浜公園のマリゾンにて開催されました。「屋外はしばらくはやらないだろう」というお話を’80sに参加した際に聞いていたので、良い意味で裏切られた感があります。人気のある海水浴場での開催、初めての屋外イベントということで、ドネルモスタッフもかなり注目していましたし、デルタポップ・スタッフも、参加者の皆さんもテンションがかなり上がり気味でした。

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会場から少し離れた場所では、音楽を聴きながらポイ(レイブ・パーティなどで用いられるジャグリングの道具のひとつ)でパフォーマンスしている男性がいらっしゃいました。いつも、デルタポップでされていますが、クラブでは他の参加者の迷惑になるので、弦を短く持つなど工夫していました。しかし、今回は屋外ですので、全力でいろんなパフォーマンスを見せていただけました。

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会場も良い雰囲気のなか、浴衣姿のTAMTAM108式さんがDJとして登壇。会場を沸かせていました。

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TAMTAM108式さんには、次回の別冊ドネルモvol.11≪オペレーション・ストライクウィッチーズ!!≫にてパネリストとして参加して頂く予定です。また、これまでも別冊ドネルモ増刊号《みんなで考える「非実在青少年」問題のこれから》にてパネリストとして参加して頂いており、その際には豊富な事例紹介などとともに、「TAMTAM108式さんは電波ソング遣いってだけじゃないんだ」というところを披露してくださいました。今回の別冊ドネルモもお楽しみに!

 

デルタポップの主宰、魚住太郎さんは、かつてドネルモのインタビュー(魚住太郎インタビューpart2)で

大ヒットしたような曲は盛り上がるけど、スマッシュヒット以下ぐらいの曲だったら、分かってる人は盛り上がるけど、そこまでアニソンを深く聴いてる人じゃなかったら、ちょっと難しい

とおっしゃっていましたが、今回はアニソンを深く聴いていないどころか、アニソンを全然聴いていないお客さんが来る可能性が高く、選曲も慎重だったようです。何より、8月15日には、日本最大の同人誌即売会イベント、コミックマーケットが開催されていますし、福岡ではレイヤード.JPGが福岡国際会議場(築港)で催されておりました。筆者は、おたく系イベントが集中する中での開催なので、アニソンファンの割合は低くなることを予測していました。そういったこともあってか、デルタポップは折々、有名な曲をかける、という配慮をしていました。

勿論、必ずしもそういった選曲が誰にでも同じように作用するわけではありません。そして、そのことに自覚的なDJは、選曲の妙を見せてくれました。あるいは、アニメファンのために選んだ曲があっさりとアニメファンではない人たちに届いてしまう瞬間もありました。

例えば、DJコータさんは、遊助「ミツバチ」をかけていました。ノリを理解したデルタポップ常連のお客様たちはテンションが上がった様子で

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といった感じでした。

逆にアニソンを全然聞いたことがない人達の反応はどうかと言えば……。

上がデルタポップのお客様、アニメファン・ゲームファンの方々。

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次の画像がアニメソング、ゲームソングを普段「全然聞かないですねぇ」と言っていた方々。

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こういった調子だったわけです。デルタポップ@ビーチでは、アニソンというツールを使って、アニメファンもそうでない人も盛り上がることができる場が形成される瞬間が確かに存在しました。

また、ビーチだからといって、全てをそのシチュエーションに合わせてしまわず、こだわりを敢えて捨てない人たちもいました。砂浜なのに、パンク・ロックスタイルのジョージコックスです(下の写真)。シチュエーションに合わせながらも、決して自分のスタイルは崩さない。あるいは、シチュエーションが違うからこそ変えないスタイルもある、ということでしょうか。そこには自分自身のスタンスを見つめなおす視線があるようにも思われます。

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彼らには、ある種のアイロニカルな態度があったかもしれません。もっとも、遊びというものには、どこかしらアイロニーの精神と通じるものがあるのやもしれません。つまり、どちらも「おふざけ」あるいは「虚構」に乗っかりながら、一方で、乗っかっている自分自身を意識するのです。こうした意識の往復運動を自分自身にもたらすものが遊びであり、アイロニーでもあるのです。イベント全体の滑らかな流れの中に、あたかも軽やかなスタッカートのように、こういった場面が挿入され、イベントの雰囲気を変えていきました。

今回の屋外イベントは単純に盛り上がるとか、様々な配慮がなされたといったことに収まりきらない面がありました。それは普段は閉じているあるジャンルのアイデンティティを超え出る運動のようにも思えます。かつてドネルモの「アニメと歌と無名のコミュニティ―『delta pop』という共同体」記事において、デルタポップのイベントをこう評しました。すなわち「作品を知る匿名の者たちが対等かつ複数的に表現し合う多極的共同体」の無数に誕生する場、と。その記事には、こうした場ではカリスマは生まれず、コミュニティに参加する者一人ひとりが主役となると述べられていました。

とはいえ、どのような共同体も知らず知らずのうちに「共同体の物語」に引きずられ、複数性を失う可能性を持っています。つまり、共同体に所属する人たち自身が、共同体のアイデンティティを保持しようと努力する結果、そこにそぐわないものの排除を生み出したり、段々と見えないルールのようなものを作って息苦しくなっていったりするのです。

そうした自閉化・硬直化に対してデルタポップ@ビーチは、クラブというそれまでの活動の場から抜け出て、自分たちの「共同体の物語」を、もう一度違う場所から読み直し、捉え直ししていく場であったように思われました。

おまけ:安全なる屋外イベントを求めて

デルタポップのDJさんたちのMCでは、何度も「怪我」や「日射病」「熱射病」についてのアナウンスが行われました。実際には怪我したり倒れたりする人はいませんでした。それでは、みなさんはどんな風に対策をしていたのでしょうか。ドネルモの人たちを例にとって紹介したいと思います。

すぐそばには海の家があります。きれいなお姉さんやイケメンお兄さんが飲料販売していました。水分補給はしっかりしないといけません。

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そして、パラソルなどの日陰でクールダウン。一緒に来ているお友達とアニソンを聞きながらアニメについてのお話をしてもよいでしょう。

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こちらの画像は、ドネルモでは「監督」「社長」と呼ばれている笹野とスタッフ古賀琢磨がゼロ年代のアニメについて語り合っている場面です。普段は自らのおたく性を隠そうとしている(が、欠片も隠せていない)スタッフ古賀がくつろいでいます。

デルタポップの常連さんの場合は、ステージすぐ近くに椅子を持ってきて休みながら、好きな曲が流れるのを今か今かと待ち構えていました。

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ほかにも、海というロケーションを活用したりします。踊り続けて熱くなった身体を海で適度に冷やします(画像1)。好きな曲が流れると……。全力で泳いでステージに向かうのです(画像2)。

(画像1)                             (画像2)

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被写体の男性(ドネルモスタッフ)が残念なので、「深きものども」が陸に上がろうとしている図にしかみえませんが……。

雑感はともあれ、今回のイベントは「海だからこそできること」があったように思われます。ドネルモスタッフは気付きませんでしたが、他にも参加者の方はロケーションを利用して色々工夫していたかもしれません。

 

 

 


10/08/19 18:20 | コメント(1) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーのはてなブックマーク数 Buzzurlへ追加このエントリーのBuzzurlブックマーク数 livedoorクリップへ追加このエントリーのlivedoorクリップ数 Yahoo!ブックマークへ追加人が登録 POOKMARK Airlinesへ追加 Saafへ追加 ニフティクリップへ追加 add to del.icio.us add to Digg add to Reddit

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