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若手個人アニメクリエーター TalkAround!! セッション1:清水誠一郎×石田祐康×山元隼一(前半:4/5)


 

youtubeとかニコ動とか

ドネルモ
じゃあそろそろ話題を移していきましょう。『中学星』も『フミコ』も、多分僕が初めて見たのは、ニコニコ動画だったんです。『memory』はyoutubeですね。でもそれって考えてみたらけっこう不思議というか。

みなさんの作品って、ちょっと前までだったら、コンペを見に行くとか、コンペを受賞した作品の上映会とか、そういうのでないと見られなかったものですよね。それを無料で、誰かがリンクを貼ってたから見ることができたわけです。

そういった状況について、どんな印象をお持ちですか?とくにみなさん、再生数がすごいことになってたりする方々なので。

清水
再生数で思うのは、今あがっている完全版で40万回再生ぐらいかな、1回で10分だから、それを40万回分だから、400万分。世界の人たちが400万分も見たんだ、みたいな。

山元
ああ、そうだね!元気玉的なね。

清水
そんなにもなるのかと思って。

山元
フリーやタダだってことで、皆がお金を出さなくていい。だから、気軽に見られるということで、うまく見てくれるんでしょうね。これまでのアニメーションって、最初からお金を取ることを考えるから、今はすごく厳しくなってきてて・・・。

一方、そういった状況への打開策として、たとえば『イヴの時間』はフリーで300万再生かな。それで知名度を上げて、お金を回収することを考える。他にも、初音ミクのキャラクターを使った『ブラックロックシューター』がありますね。

石田
『ブラックロックシューター』も、よくできてるんじゃないですか?

山元
作画的には、すごくクオリティが高いよ。ストーリーとしてどうなの?というところはあったけど。それで一回やって、フィギュアとかの商品で(お金を)集めてくるっていう。

アニメ業界、時代の変わり目!?

ドネルモ 
後の話につながると思うんですが、最初にコンテンツを作ってパッケージングして売るよりも、最初は無料でコンテンツが流れていて、それを「どうしても手元に置きたい、DVDで見たい!」という人が買う、というモデルですね。

「それって買う人いないんじゃないか?」と思うんだけど、実際のところ、買う人はいっぱいいて。例えば吉浦さんの『イヴの時間』は、それで上手くいってるっぽい。昨年話題となった『化物語』のDVDの売り方も、これにかなり近いと思います。

さて、そんな作品受容のあり方が変わってきている中で、実際に作品がそれだけの数見られているということに対して、どういう風に受け止められてるのかな、と。山元さんはどうですか?

山元 
色々な意見があって、清水君や石田君も含めて、僕らは映像の価値を下げているところがありますよね。

ドネルモ
というと、どういうことです?

山元
商業アニメと、ソフトとかは一緒なんですよ。プロが使ってるのと同じソフトを使ってるんです。それである程度のクオリティのモノを出しちゃうと、皆が「あ、映像ってタダで見るのが当たり前なんだ」と思う。そういう意味で、価値観を下げちゃったっていうことですね。

ドネルモ
価値観というか、今までとは違う形で見られるものなんだ、という風に変えていったと言ったほうがよさそうですね。

ある時期・時代は、お金を払ってDVDで見るもの、というのが当たり前だったかもしれない。だけど今からは、最初はコンテンツを無料で出すもので、そこに広告とかが付いて、お金が入ってくる仕組みができるかもしれない。

コンテンツに触れる機会はフリー。そういう状況が来てもおかしくないと思うし、実際に図らずもそういう状況に向かってきているのでしょうね。

山元
向かってきていて、僕らにとっても都合のいい時代が来ているというか。 

僕らって、もし映像の世界に行こうと思ったら、たぶん下積みをしなきゃいけないわけじゃん。まず制作進行とかアニメーターから始まって、10年とかして演出や演出助手になる。そして演出をまた、ずーっとやって、10年ぐらいかけてアニメ監督にな る。だから足かけ20年くらいかかっちゃう。そうなると今から20足して40歳以上になった時に、新しくて瑞々しい感性で作品が作れるかというと、違うか もしれない。

その時その時で作れる作品があると思うんだよね。20代で作れるモノが。だから『中学星』は、まさにちょっと中二病的な…ごめん(笑)。でも、笑いやパロディの感覚って、ニコニコを見てる世代とジャストミートしてるというか。『フミコ』もそうだけど、『FLCL』みたいなものに 影響を受けてる。

そして実際にチャンスが来てるわけだよね。僕らは東京にいないけど、仕事も水面下で色々と来てるわけじゃないですか。

ドネルモ
そのモデルというのが、今までになかった動きなわけですよね。

石田
僕としては、喜んでいいのかどうか・・・。

山元
喜んでいいと思うよ。だって僕らは、youtubeが2005年に出た頃から作品を作り始めて、その恩恵をめちゃくちゃ受けてる。

戸惑いと尊敬の念と…

ドネルモ
猛烈な再生数を稼いでいる石田さんに戸惑いがあるというのは、面白いですね。

石田
それはやっぱり、下積みを数十年やって、ちゃんと経験を積んだ人たちが、しっかりした作品を作るというのが、長年日本にあった形態だからですね。それに対する尊敬の念がすごくあるので……(一同笑)。

山元
(笑)ちょっと待って。すみません、おれも調子に乗りました。

石田
でも、今の状況を見ていたら、山元さんの言ってるような可能性もあるかもしれなくて。僕たちのような下積みのあまりない人達が、ちゃんとした商業作品の企画にいきなり参加できちゃうという状況も、ちょこちょこ出て来るとは思うんです。

でもやっぱり、水面下で下積みを経てがんばってる人達に対して、ちょっと申し訳ない感じがあって…。

山元
それは確かにそうだね…。

石田
そうなんです。感性が鋭いとか、若いからこそできることもあるかもしれないですが、でも普通に考えたら、下積みを経てがんばってる人達の方が、実力的には絶対上のはずなんです。

山元
そうだね。アニメーターの原画とか見てたら、めちゃくちゃ上手いもんね。

石田
そのはずですから、こういう(言ってしまえば)ショートカットというのは…。

山元
でもまあ、「ヘタいから、いい」というのもあったりするわけじゃん。その「味」というか。だから、お互いに尊敬の念をもってるのは大事だと思うけど、ショートカットを肯定することはできるかな、と。

石田
肯定してやっていくしかないんですかね…。

え?ちょ、このレベルで勝てんの?

ドネルモ
清水さんはどういう印象を持たれてますか?

清水
「うーん、なるほど、なるほど」と思いながら、聞いてました。…ちょっと違うかもしれないですけど、『中学星』を作る時は、ヒットする(?)のを狙ってるんじゃなくて、普通に人を笑わせるためにはどうすればいいのかと考えてたんですよ。そして友達が面白がってニコ動に上げたのが、たまたま再生数が、ガーンとうまい軌道に乗って伸びてくれた。それでコンペでも賞をもらった。

おれは植草航君の作品がすっごい好きなんです。前から知っていて、「うわ、こんなの作る人がおるんやスゲー!」と思って。

山元
動きがハンパないもんね。コマ送りとかしたい。

清水
実際に絵もすごく描いてきてデッサン力もあって、そういう力で作った作品と一緒に、学生CG(コンテスト)とかで一緒の「優秀賞」をもらっちゃった。(もちろんそのコンペではたまたま同列の賞を頂いたってだけなんだけど)それは嬉しいんだけど、何だろう…。同じ賞もらってても俺の土台はガタガタ、みたいな(一同笑)。

「骨組みとか、大丈夫?」って。皆がすごく褒めてくれるし、ヨイショ、ヨイショされまくって、「うわー、高いよ!お、落ちるー!!」みたいな。(一同爆笑)

 「すごく危うい所に立ってるな」と思って、その怖さがあるんですね。すごく中途半端な実力しかないのに、分不相応なところに来てしまったような。レベル10くらいなのにムドー〔『ドラゴンクエストⅥ』のボスキャラ〕に挑む、みたいな。「え?ちょ、このレベルで勝てんの?戻ってもうちょいレベル上げしたほうがよくね?」っていうギリギリ感があるんです。(一同爆笑)

石田君とか、それこそ高校くらいから油絵とかをやって、技術があったりする。ブログとかで絵を見ても、すげえ上手い。おれもデッサンはやってきたけど、ああいう絵が全然描けなくて、だからCGに行った。アニメにすごく憧れはあるんだけど、取れる手段はそれだったんですよ。〔制作期間が〕あと二カ月でどれを使う?という時に、思い描いたイメージは、CGで作るような絵だな、と思ったからそうしたんだけど。

だから、インターネットとかのおかげで、色々な人に見てもらえて嬉しいんだけど、自分〔の実力〕はそれに伴ってない、というか。

山元
再生数ってビックリするよね?上がり方が。Youtubeに上げたら、めっちゃメール来るしね。

清水
その怖さは常に感じながら、やってます。

ドネルモ
はー。清水さんにせよ、石田さんにせよ、実際にネット上ではバーっと来てるけど、本人にはある種の戸惑いというか、分不相応の感を伴いつつもある。本人の持っている自意識と、周りの評価のギャップは面白いですね。その点、山元さんはポジティブですね。

山元
結構、地雷踏んじゃったかなー(一同笑)。

 

 

 

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10/10/07 04:58 | コメント(1) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーのはてなブックマーク数 Buzzurlへ追加このエントリーのBuzzurlブックマーク数 livedoorクリップへ追加このエントリーのlivedoorクリップ数 Yahoo!ブックマークへ追加人が登録 POOKMARK Airlinesへ追加 Saafへ追加 ニフティクリップへ追加 add to del.icio.us add to Digg add to Reddit

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