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若手個人アニメクリエーター TalkAround!! セッション1:清水誠一郎×石田祐康×山元隼一(後半:5/6)


 

自主制作アニメの臨界点!?-アートっぽいのってどう?

ドネルモ
理想と欲求の狭間のお話ですが、自分のやりたいことを貫くと同時に、自分の作品を見る人との関係については、どうですか?

清水
映画も好きで見に行くんですが、そんときよく思うっていうか、普通の映画に比べて、自主制作アニメを集めた上映会とかって結構疲れちゃうんです。

ドネルモ
そうでしょうね、わかります(笑)

清水
そこが商業と自主制作の違いだと思うんですけど…。お金をもらうことを前提に作られたものはやっぱスゲェなと思って。2時間じっと座らせて目と耳を拝借した上で映像を見せて満足させて帰らせるって凄いことだなと。商業映画と自主制作映像の上映会では、全然構成が違うからってのもあるとは思いますが。

石田
その代わり駄目だった時ははっきり駄目っていいますけどね。

清水
絶妙のバランスでできてるんだなって思って。いいものっていうのは。

ドネルモ
エンターテイメントのように、2時間お客さんにお金をいただいて見てもらうんだってスタンスのものと、また一方には、アニメ見てる人にとってみればすごいとか、アート的な意味でクオリティが高いとか、そういった作品もあるかと思います。所謂アートアニメーションと呼ばれてた、それらをどういう風にとらえてます?

山元
僕らがすごいって言ってるようなアニメーションには、ある意味ドメスティックっていうか、業界内ウケっていうのもありますね。あの人はこの作品に参加してたとか、ある国際映画祭とかも知る人ぞ知るっていうか。

清水
結構俺は、考えるというか、わかんなくなるなぁっていう。アートアニメは今のとこ苦手なんですよね…。

まだこっちの感受性が…多分ワインとかで、「この微妙な香りが…」とかこう言えるレベルじゃなくて。「ええわかんねぇ、コーラの方が絶対美味いじゃん!」みたいな。(一同爆笑)

すごい人たちがちゃんと評価をして、ここがすごいって評価しているものなので、今のところ受信者の僕がそれについていけない状態だといます。関係ないけどビールのおいしさもまだ理解できないし。

それでも、ほんとにイライラする作品とかあるんですよ。「何語かわからない言葉で延々話を聞かされる」みたいな。もちろん観る観ないは自由なんだけど、一応、目と耳と時間を拘束した上で観てもらうわけじゃないですか。だから、「観る人のことを考えてくれているのかな?」っていう風に。結構、「黙って俺の話を聞け」みたいな作品が多いような気がして。なんというか歩み寄りが感じられないというかな…うーん。でもこれはそのまま自分にとっての問題でもあるし自分で体現出来てないから余計にモヤモヤするのかもしれません。

山元
清水君は、ニコニコ動画で完全版を作るにあたって、どういうコメントが出るかっていうのを意識しながら作ったって言ってたじゃん?俺も映像は思いやりだなって思ってて、観る人のテンポとかも考えつつやんないとなーって。絵コンテとかも常に俯瞰して見るっていうのはやらないといけないなって思ってる。

清水
笑える、笑えないとか単純なものじゃなくても、例えば何かを伝える為の映像があるとして、編集が上手かったりすると結構どんなテーマでも興味もって観れるんですよね。

会話で言うとしゃべりのうまさとか語り口とか重要じゃないですか。プロジェクトXとかどの話でも面白かったし。(関係ないかな?)

その「伝える為のチューニング」をしてるのか、してないのか。あえてしないことによってしか伝わらない何かもあるのかもしれないけど、意図がわかんないんですよね。

前にネットで植草くんの記事を読んだ時に、「一瞬を追う」っていう言葉を見た時にはそれが凄く理解出来たんです。きっと、作品を観たときにそれが何となく伝わってたからこそ、その言葉がバチッと理解出来たと思うんですよ。

だから話してみたいんです。そういった映像作る人たちと。理解したい。その方が絶対楽しいし。

ドネルモ
石田さんはどうですか?

石田
ワインとコーラの話もわかりますけど・・・。でも確かにアニメーションって映像なだけあって、わかんなくても映像を見てたらなんとなくその凄さは分かるんですよね。

やっぱりこれは何か、いろいろ難しいこと喋っててよくわからないけど、なんかすごいみたいなのが伝わってくるんですよね。

清水
そう、すごいことは分かるんですよね。

山元
切り絵アニメとかすごいもんね。よく動くよね、こんだけっていう。よく動かしたなぁっていうのあるよね。鉛筆でよくここまで、何千枚も何万枚も・・・デッサンのアニメで動くんですよ。

清水
すごいんですよ。でもなんかよくわかんなくて…。「その凄さは何に使うの!?」みたいな。

山元
今回のセッション、僕と清水君も石田君も割と商業寄り、エンターテイメント路線っていうか。アートアニメーションの個人制作だと、自分の作家性みたいな、自分の抱えてるトラウマとかを曝け出すみたいな、心のヌードみたいな印象ですよね。

ドネルモ
アートって地域も時代も越えるって思われがちですが、実はがっつり社会的なものなんですよね。だから「アート的な凄さ」を、ちゃんと「凄さ」として受け止める社会があって、はじめて成り立つ話なんです。でも、とりわけ今の日本では、かつてとは社会構造が大きく変わってしまっていて、アートがまだ社会的地位を保っている欧米とは、質的に異なってきている。

そんな中で、かつてアートアニメとしてすごく質が高いと言われてた作品やあるいは創作スタンスに対して、みなさんの抱く「戸惑い感」、清水さんにおいてはイラ立ち感といいますか、そんな感触があるのは、だから至極まっとうなんでしょう。

みなさんのこの戸惑い感が、ひょっとしたら2010年の日本なのかもしれません。もうちょっとして、もっと若い世代になると、開き直って、「アートアニメ?なにそれ?」って平気で言ってのける人たちが活躍してるかもしれないし。

山元
僕らはほんともう『けいおん!』とか、みんな観てるの京アニですよね。京アニがすごいみたいな。あとはジブリがすごい、ピクサーがすごいとか。完全に商業と呼ばれてるもの。アートアニメは大学入るまで一切観なかったな。今は意識的に観るようにはしてるけど。

石田
そういう人が多いんですかねー。

 

 

『けいおん!』

かきふらいによる4コマ漫画と京都アニメーションによるテレビアニメーションシリーズ。

京アニ

京都アニメーションの略称。『涼宮ハルヒ』『らき☆すた』などを制作している。

 

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10/10/24 01:43 | コメント(0) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーのはてなブックマーク数 Buzzurlへ追加このエントリーのBuzzurlブックマーク数 livedoorクリップへ追加このエントリーのlivedoorクリップ数 Yahoo!ブックマークへ追加人が登録 POOKMARK Airlinesへ追加 Saafへ追加 ニフティクリップへ追加 add to del.icio.us add to Digg add to Reddit

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