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若手個人アニメクリエーター TalkAround!! セッション1:清水誠一郎×石田祐康×山元隼一(後半:6/6)


三人それぞれのスタンス-デザイナー系

ドネルモ
ちょっと思ったんですが、清水さんのアートアニメへの違和感って、清水さんご自身のデザイナー的なスタンスが大きく関わってるかもですね。

山元
清水君はやっぱりデザイナーというか、制約から考えるんだよねやっぱり。2カ月でどう作るかとか、そこからいくもんね。色を使わないとか。

ドネルモ
さっきニコニコ動画のコメントとかを受けて作るっていうのもすごくデザイナー的な発想ですよね。

清水
良いか悪いかは分かんないんですけどね。

ドネルモ
いやいや、良い悪いの話では全然なくて、創作スタンスの話ですよ。

清水
そうですね。だから大別すれば3つの道になるのかもしれないけど、意外と自分の欲求と、それを満たす方法さえ見つければ、ちゃんと物作れるんじゃないかなとも思うんですよね。

山元
そうそう、諦めなければ何でもできるもんね。

ドネルモ
何かしらの方法というか、道筋はあるだろうってことですね。

清水
だから自分のエッジを多少引っ込める能力も、柔軟性というんですかね、それもないとね。本当に我を通すってことだけ考え始めると、うまくいかない気がする。妥協するっていうより譲歩するっていうか。その丁度いい重心見つけるのも面白いと思う。

山元
社会性がかけちゃだめだっていう。割と処方箋を出すとかそっちに近いんだと思う。

清水
でもエッジをこうひっこめもせず、バキンっていくからできるいいものもあるとは思うんですけど。だからそれを上手く扱うのがプロデューサーとかなのかなって。才能を扱うのが上手いという。何が言いたいのか結論は分かんないんですけど。

 

 
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アーティスト系

ドネルモ
清水さんのスタンスは、今のお話からよくわかりました。では、はあはあ頷きまくりの石田さんは、どうですか?(笑)

石田
聞いてると、とことん自分は真逆だなって思って。自分、融通が利かないというか、人にどうこう左右されるのが本当に苦手なので。やりたいことが結構いっぱいあるので、それをどうしても表現したくて。

山元
石田君はなんか、職人だもんね。追求するというか。走り方とかめちゃくちゃ上手いですもん、石田君。ああここでこう動かすか!みたいな。清水君は割とこうしとけばいいだろう的なところがあるだろうって思うんだけど、割と動きとか細かいところに関して。

清水
よく言えば柔軟性だけど、悪く言えばいい加減なの。

山元
俺もいい加減なので(笑)

清水
思い出してみたら、ドラゴンボールでも黒く塗るとこ結構あったりして。フリーザも最終形態はぜったいあれ描くのめんどくさいからだと思うんですよ。(一同笑) 第三形態って描くのめんどくさそうだもん。

石田
そうですかぁ?(笑)

清水
でもその鎧を剥いだからこそ出る怖さとか。「もっと描きやすいシンプルなデザインにしたい→結果あのシンプルさが強烈に怖い」というようなある種のリスクを管理した事で出て来る効果というか。勝手な想像ですけど。何が正解かなんてやってみないとわからないですもんね。

でも、絶対これを表現したいっていう譲れないものがあるってことは大事なことだと思うんですよね。それを通す方法を考えることは必要なんだろうなって思います。

ドネルモ
そうなんですよ。重要なテーマですよね。石田さんのようにやりたいことがあって、その才能もお持ちだと。その人がじゃあどうやったらそれを実現できるかっていう、そのシステムだと思うんですよね。

山元
そうなんですよね。石田君はかなり前のめりにやっちゃうタイプ。一回俯瞰したらもっと良くできるのにって僕はちょっと思ったりする。

石田
難しいこと考えられません><。めんどくさくてとてもやってられません。だからまぁプロデューサーがいたら、考えてくれる人がいたら全部任せたいですね。そんなの考えてたら何もできなくなっちゃう。

ドネルモ
石田さんはフミコ作っていたときにはプロデューサーとかディレクターとかがいらっしゃったんですか?

石田
いや、いないです、一人です。

ドネルモ
じゃあ石田さんはそういう風な人がいるならその人に全部任せたいってことですか?

石田
はい、全部、全部預けたいです。めんどくさいのが本当に苦手なんです。

山元
でもそれができる人がなんで少ないかって言うと、お金が入ってこないっていうのもあるし、思いやりを持って頼めないんですよね。というのは、これがどれくらいの作業進行がかかるものなのかっていうのがわかんないので。

現場を知らないと「このカットすごい大変ですよね。」じゃなくて、この修正とかも、分からない人だったら別に思いやりがないわけじゃないですけど、結局知らないから「これ簡単に直せますよね?」っていう風になる。わからないプロデューサーとか制作者だと。

それで現場と進行する事務の人が乖離してしまうっていうのが現状で。

ドネルモ
やっぱりそういう風な現場を知っているような人がプロデューサーになるなり、ディレクターになる形で作るのが一番理想的ってことですよね。

山元
でもなんとかやっていけてるのは結局パソコンのおかげっていうか。レンダリングスピードがめっちゃ速くなったりとか、ソフトの充実。とかいうので全部できるようになったんですよね。今までだったら3DCGから、作画から、着色から、コンポジットまで全部やるって不可能だったと思うんですよね。

多分、昔のセル画時代の先輩、20年前とかの自主制作、GAINAXの前身のDAICON FILMとかの時代ってもう分担しないと無理だったと思うんです。でも今は一人でやれる時代になったっていうのはすごく大きい。

石田
恩恵受けまくりですよねー。

山元
恩恵受けまくりで、なんとか制作進行とかプロデュースとかyoutubeで配信するっていうのまで、一応全部確保できてるっていうのが今僕らまさに生きてる時代で。

石田
やっぱり申し訳ない、過去の人に・・・。

山元
でも過去の人も過去の人で、さらに過去の人がいたわけだしさ。だからDNAの話で過去の人を受け継ぎつつ、さらにそれを良くしていくっていうのが俺らの仕事だよね。

石田
そうですね、繋いでいくのが勤めでもあるんですよね。

 

DICON FILM

1980年代に活動した自主制作映画集団。GAINAXの前身となった。

 

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プロデューサー系

山元
俺はどちらかというと戦略から考えるから。宮崎駿さんと鈴木敏夫さんももちろん、ナウシカ描いてるときには漫画家と編集者の関係だったわけで。だからそういう感じで、今も細田さんに関しては角川やマッドのプロデューサーががっちりプロデューサーやってる。細田さんが漫画家みたいな感じだよね。

でないと、一人でやるのって限界があるじゃん。セルフプロデュースと言ってもさ、個人クリエーターだからやっぱり個人プロデュースしないといけないんですけど、税金のこととかよくわかんないしさ。お金のこととか。まさに作品の展開?どの層が観るかとか、F1層とかそういうのありますよね?何十代が観てとかそういうのわかんねぇよって。

ドネルモ
山元さんは、映像作りながら、広告代理店的な観点も持ってる。ちゃんと市場調査をして、どういう層にそういうものがウケるんだろうってことまで調査しつつ、コンテンツを作っていくっていう。プロデューサーとかディレクターのスタンスですね。

山元
元々海外はディレクターよりプロデューサーの方が力を持っているって言うし。プロデューサーが脚本書いたりするわけだから。今、日本って割とプロデューサーって手を動かさないダメな人みたいな・・・。その垣根がなくなってもいいかなって僕は思っているんですけど。でも分業の方がいいっていう意見もあるし。宮崎駿だったり、石田君もそうだし、そういうタイプ。

石田
分業したいです。

清水
なんか、ドラクエみたいな感じですかね。回復役と攻撃役と。ルカナンとかバイキルトとかベホイミとか使う役がいて、攻撃力ある人はその補助を受けながらおもいきり攻撃して。そういうチームワークですよね?

山元

そうそうそう(笑)

清水
だから石田君はアリーナですよ、アリーナ。めちゃくちゃ攻撃力あるじゃないですか。一人だとMP0だから、回復役と補助役が強いからやっぱアリーナが生きるっていう。(一同爆笑)

山元
(笑)だから一人の人間ができることって限られてるんですよ。それを無理やり時間使って補強してるだけなんですけど、やっぱハンター×ハンターでいうと強化系が他のとこ弱いみたいな。

清水
勇者って中途パンパなんだよね、なんでもできるけど。

山元
そう!だから器用貧乏になりかねないっていうかさ。

ドネルモ
なるほどー。清水さんはやはり発想がデザイナーっぽいというか、クライアントを意識したモノづくりに自覚的に動いていらっしゃる。で、石田さんはある意味アーティストタイプといいますか、作りたいっていうのがもうバンッとあって、進行めんどくさいから誰かやって、って感じ。そして山元さんは、けっこうプロデューサー寄りですよね。

みなさん、それぞれのタイプの人たちがどういう形で実現可能になっていくかっていうモデルみたいですよ。しかしまあ、よくも見事に、タイプ別に分かれたものですね(笑)。しかも仲良よげだっていう…。

清水
『バクマン。』思い出しますね。計算してヒット作品を作る人と、天才型タイプとみたいな。

石田
あの構図は分かりやすいですね。

山元
分かりやすいよね。自分たちにもろ当てはまるもんね。

清水
だから多分、今の話だと石田君とか後者なんだろうね。新妻エイジだ。

なんかそれが思い浮かんだってだけなんだけど。(笑)

石田
えーーそうなんですかねーーえーーわかんない。

山元
いや、間違いない。(笑)

石田
だけどあの主人公たちみたいに自分が足りない部分は他の人に素直に補ってもらうっていう発想は絶対いいと思います。(笑)

(終了)

 

 

鈴木敏夫

株式会社スタジオジブリの代表取締役。宮崎駿の『風の谷のナウシカ』をアニメージュにて連載させた。

注釈作成協力:山元隼一

 

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10/10/24 01:47 | コメント(0) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーのはてなブックマーク数 Buzzurlへ追加このエントリーのBuzzurlブックマーク数 livedoorクリップへ追加このエントリーのlivedoorクリップ数 Yahoo!ブックマークへ追加人が登録 POOKMARK Airlinesへ追加 Saafへ追加 ニフティクリップへ追加 add to del.icio.us add to Digg add to Reddit

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