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若手個人アニメクリエーター TalkAround!! セッション2:大桃洋祐×植草航×山元隼一(後半:5/5)


 

吉浦さんってどう?-個人制作と監督業の違い

ドネルモ
セッション1で、『フミコの告白』の石田さんが、吉浦監督は“理想的なモデルだ”っておっしゃってました。大桃さんや植草さんから見て、たとえば吉浦監督のようなスタンスっていうのはどうですか。

大桃
僕は理想的なモデルだと思いますね。個人のコントロールできる範囲で作品作って、それが商業として成立している、ということをやってのけたのが吉浦さんじゃないかなぁ。

新海誠さんも同じタイプだと思うんですけど、商業作品として作ってるんだけれども、自分の作品としてきちっとモノにしてるところがすごい。しかもちゃんと作品がコンテンツとして流通している。それって自主制作してる人ならみんなが目指したいところなんじゃないかな。作品自体が素晴らしいっていうのはもちろんあるんですけど。

植草
…恐れ多くて発言が怖いんですけど(笑)僕は石田君が吉浦さんのスタンスに一番近いんじゃないかなぁと思っていて。僕も大桃さんも、“監督”って感じではないんですよね。

ドネルモ
あー、なるほど、個人制作だから!

植草
石田君は『フミコの告白』を“監督”の立場で作ってますよね。「この人をこういう風に使って、あの人はこういう風に使って、結果的にこういう作品を作りたい」っていう感じで。吉浦さんもそういう、監督としてのスタンスっていうのがもともと確立されていたから最先端のものが作れたんじゃないかなぁって思っていて。

だから僕たちが同じようなことをやろうとしても多分無理だなぁってすごく感じる。普通、個人アニメクリエーターっていうと、自分が「なんでアニメーションを作ってるのか?」ってことよりも、「この動きが描きたい!」とか、「このキャラクター動かしたい!」とか、「この空気感を出したい!」とか、部分部分に突出して作ってる方が多いと思うんです。

大桃
なかなかね、実現は難しいよね。

ドネルモ
監督業っていう集団作業ですよね。そういったものが誰もが必ずしも上手にできるわけじゃないという・・・

植草
その人の素質とか、目指している方向性は重要だと思います。

今監督さんをやられてるすごい方とかも、元々は、もしかしたら僕たちみたいなスタンスだったかもしれないんですけど。

ドネルモ
うーん、なるほどね。山元くんは何かありますか?

山元
グループワークができる商業アニメーションの量産性と、個人で作ることによってのオリジナリティ、どちらにスタンスをおくかがまた重要かなって思います。

とはいいつつ、ディレクション能力はどうしても要ります。個人アニメーターっていうのはそういうのを経験する機会があんまりないので…

植草
そうですよね、それがないのが不安な一面ですよね。

山元
そうそう。僕は実写の撮影をやっていた経験があるので、そこでのノウハウは活かせるかなと思ってます、実写はどうしても一人じゃ無理なので。アニメだと、一人で結構世界が作れるんですよ。100%自分の好きな世界を作れる。…けど、逆に、実写だと、人と一緒にやる良さ…人とやることで、「ああ、こういうのもいいよね。」っていう発見がある。個人制作のアニメーションでもそういうのが入ってきてもいいと思う。

植草
一人でやってる人って、グループでやるのが嫌だから作ってるって節も結構あったりすると思うんですよ。だから、もし自分が監督だったらグループワークの管理をどこまでやったらいいのかなぁっていうのが疑問になったりするんです。

ドネルモ
基本的には一人で作りたいってことですかね?

植草
そうだな…自分の方向性が固まってきたし、大桃さんや山元さんみたいな同業者と知りあうことも多くなってきたので信頼をおける人間がいた場合には、その人間と組んでみたいなっていうのは出てきてますね。

ドネルモ
なるほど。大桃さんはそのへんいかがですか?ある種のコラボレーションといいますか…

大桃
あー…僕は、今もう個人制作というものにあまり執着がないんです。

昔は一から十まで全部自分の手で作ったものだっていう風にしたかったんですけど、今は割とむしろグループワークとか、集団で、みんなで一つの作品を作るってことのほうが興味が向いてきてて。

だからプロダクションに入りたいってことではないんですけど、単純にみんなで意見をすりあわせるようなステップは必要だと思う。自分の中だけでやっていくことに限界が見えてきたっていうか、自分が大した奴じゃないなってことが分かってきたっていうか(笑)

自分で一人でやるってことにこだわるよりも、いい作品を作るってことにこだわったほうがいいんじゃないかなぁっていうのが最近の考えです。

ドネルモ
チームを編成するとなると、それはリアルな環境の問題と絡んできますよね。東京、しかも芸大だとできることは、やはり福岡ではできない。でも、そういった問題がネット環境の整備や新しいシステムを生み出していくことで解決されて、どこにいても“自分にもできる”という感覚が生まれやすくなると良いですね。

さて、もう3時間近くトークしていただきました。まだいろいろあるかと思うのですが(笑)、とりあえず、ここで一度終わりにしたいと思います。

本日はどうもありがとうございました!

 

おまけ

 

 

 

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10/12/27 18:59 | コメント(0) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーのはてなブックマーク数 Buzzurlへ追加このエントリーのBuzzurlブックマーク数 livedoorクリップへ追加このエントリーのlivedoorクリップ数 Yahoo!ブックマークへ追加人が登録 POOKMARK Airlinesへ追加 Saafへ追加 ニフティクリップへ追加 add to del.icio.us add to Digg add to Reddit

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