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若手個人アニメクリエーター TalkAround!! セッション3:今津良樹×山元隼一(3/6)


 

 

それぞれのアニメーションの捉え方

 

ドネルモ
ここから、アニメーションのどこに関心があるか問題を聞いてみたいな、と。今津さんは動きに関心があって、一方で山元君はもっと別の部分だろうなあ、と。

そのことは、やはり作品に象徴的に表れていますよね。カット割を細かく作っていく山元君とシームレスに動きがつながっていく、動きが途切れない今津さん。そのあたりの違いに対して、お二人は常々どうのように考えているのですか?

今津
元々、僕は全体の流れや動きがつながった作品を作っていたわけではなくて、ACのときまでは、カットを割って、普通にモンタージュしてやっていました。

ただ、『アトミックワールド』に関しては、人の目に普段止まって見えるものが、もし映像として動いている中の一コマだったら・・・というコンセプトで作ったんですね。今止まって見えているものでも、時間を引き延ばしてみてみると、すべて動きでつながっている。そんな世界を描きたかった。なので、この作品ではすべて動きはつながっているんです。

そのため、全体のメッセージやストーリーというよりも、ひとつひとつの変化がワンシーンワンシーン、今起きていることと次起きることの組み合わせで成り立っている、そういう作品なんです。

影響を受けたのはジブリです。僕はジブリがすごく好きで、一番好きなのは『ハウルの動く城』です。映画館でみて感動しました。ハナシはよく分からないんだけど、今起きていることと次起こることとは自然につながっていて、常に次何が起きるのだろうというワクワク感でずっと見ていけるというか。こんなふうにワンシーン毎のワクワク感でつながる作品を作っていけたら格好いいなあと思って。

ただアトミック・ワールドは、長編作品でもなければストーリーもないので、どうやって次の展開へのワクワク感を持たせればいいのかを悩みました。

そこで考えたのは、例えば、細胞が分裂して、赤ちゃんになって、それでその赤ちゃんが時間が経つにつれどんどん成長していくっていう流れはなんとなく想像できますよね。次に何が起こるかということを見てる人にある程度予想してもらいうことで、やっぱりこうなるのかとか、でもここはこうするのかとか、見る側の予測を裏切ったりして、次のシーンへの期待感を短い作品の中でつくろうと考えました。

誰にでも分かる流れにすることで、ストーリーのない映像でも、次の展開へのワクワク感を感じさせることを考えました。

ドネルモ
今津さんの話を聞いていると、物語・ストーリーの次元でぐいぐい引っ張るというよりも、そのときそのときのアニメーションの動きの力やワクワク感、映像が持っている独特の磁力で作品が紡がれていくあり方に感銘をお持ちのようですね。

山元君はもっとたぶん違うスタンスで創作しているんじゃないですか?

山元
そうですね。僕がアニメーションをやろうと思った動機は、天候に左右されないとか背景やキャラクターを自分の思い描く世界にしたいという気持ちがありました。アニメーションを通じて「物語をつくりたい」という動機が強いですね。

僕は映画が好きで、ストーリーを表現したかったので、『メモリー』に至ったわけです。この作品のポイントは、アニメーションという表現で、主観映像表現を使用する事であえて日常のリアル感、ドキュメンタリーのような感じを出すというのが面白いし、それで物語が出来るかなと思ったんです。

基本的にアニメーションというのは、固定カメラや横にちょっと動かしたような動きしかできなくて。でも実写だと、もっといろいろできるんですよ。例えば、岩井俊二の映画は手持ちカメラが多くて、手持ちカメラで撮って、その場にいるような感覚で、まさに観客の目線がカメラマンの目線の中にあるようなリアリティが感じられるようなつくりになっているんですね。

なんでこうした手法に興味を持ったかというと、アニメーションって嘘の世界じゃないですか。キャラクターとか絶対生きているわけでもないし、いくらでもキャラクターを美しく描くこともできるけど、でもやっぱりアニメでリアリティっていうものを描きたかったんです。それで一番効果的だなあと思ったのが3DCGアニメーションで、というのもカメラワークの自由度があったから。3Dがいいかなと。

そうやってテーマを一番表現できる手段としてアニメーションを使っているという感じですね。

ドネルモ
今の話に惹きつけて言えば、山本君のスタンスはストーリーを効果的に語るためにカット割や、平和なホームビデオの映像の次に、廃墟が急に出るモンタージュをきりあわせて生まれてくる意味みたいものがあって、そうした仕方で物語をつむいでいるわけだよね。

山元
だから、絵コンテの自分とアニメーションを作る自分は別なんですよね。最初はシナリオだったり、イメージボードを書いたり、そこまでは完全にテーマを伝えるためのコンテでしかなくて、動きは後回しで、動きのことを考えるのは、そのアニメーションを考えるときですね。そのときは動きとして気持ちよければそれでいいみたいな。アニメーターとしての自分頑張ってみたいな(笑)。そして動かすときに初めてどうしようみたいな(笑)

ドネルモ
アニメーションに対するスタンスについて言えば、お二人は結構違う感じがしますね。

 

 

 

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11/04/30 04:32 | コメント(0) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーのはてなブックマーク数 Buzzurlへ追加このエントリーのBuzzurlブックマーク数 livedoorクリップへ追加このエントリーのlivedoorクリップ数 Yahoo!ブックマークへ追加人が登録 POOKMARK Airlinesへ追加 Saafへ追加 ニフティクリップへ追加 add to del.icio.us add to Digg add to Reddit

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