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若手個人アニメクリエーター TalkAround!! セッション3:今津良樹×山元隼一(6/6)


 

 

ぼくらのアニメーション

 

ドネルモ
さてここからは、そんな個人制作アニメの転換期にあって、お二人が思うことを、自由に話してもらえたら、と。いかがでしょう?

山元
こないだ今回のトークアラウンドに出てくれた、清水君とか植草君とか石田君とか今津君(石田君も誘おうとしてたんですけど・・・)とみんなで泊まって話してたことがあるんです。

アートアニメーションの分野については、東京芸大が、アニメーション作家を育成しようとしていますが、一方で先人の方が偉大過ぎて、入る前からある程度の個を持っていなければ、そこからはじけることが出来ないんじゃないかと感じたりしています。

その点、僕らは勝手に自分たちで独学でやってるような人たちばかりだから、たぶんずれてる。できるかどうかわからないという制限から始めているのでそこにアニメーションの可能性が広がるぞって信じてる。

今津
なんというか芸大の卒業制作展を見に行ったとき、全体のトーンがどれも近いと思った、作品が。

山元
似てるよね。相当似てる。そして、確かにそのやり方でやれば絶対コンペに入る。

ドネルモ
目的がちゃんと、コンペっていうのがあって・・・。

山元
そうそう。コンペティションに入るにふさわしい模範作品を作るしかないというか。コンペは穫れるけど、ビジネス的なものには結びつきにくいという可能性もはらんでる。。うーん。

作ってる人は、先生たちからやっぱり言われるし、作品からなんとなく、この人アニメーションを楽しくてやってる感じがしないっていうか、結構その人が辛いとか痛いとかきついとかそういうところを無理やり引き出して、トラウマとかを引き出して作ってるんじゃないかなって思ったのが、広島国際の芸大の作品群で・・・。

いろいろな芸大の作品流れてたけど、どうも痛みと向き合いすぎだろっていうのに、違和感がありました。

ドネルモ
それがその人の芸術性だったら、それはそれでいいんですけど、全員がそういう暗めっていうのはちょっと怖い話ですね。

山元
結構みんな閉じ込められていて、大体シチュエーションとして芸大生の作品に多いのは何かしら檻だったり部屋だったりに閉じ込められてて、そこで何かを生み出す人とか、自由を奪われる人っていうので作られる。

アニメーションって結局、その人が置かれている現状だったりとかがそのまま出ると思うんですよね。作ってる人に感情移入するとすれば、恐らく、ちゃんとすごいもの作らんといかん、周りすごい人いっぱいやんどうしよう・・・でも遊びに行ったら作品のクオリティが下がる~みたいな感じで、部屋に籠って。。。そんな追いつめられているような気持ちや雰囲気が背後に感じられるんですよね。良い言い方だと鬼気迫ってると言えるんでしょうけど。

ドネルモ
まあ、有り得ない話ではないかもしれませんね。そこで突き詰めて突き詰めて何か開花する人もいれば、それこそコンペで受かってその先があんまりよくわからない人もいるかもしれない。

山元
映像的な教育を受けたことはないからそこは自由にやれたかなぁと。

今津
俺は、芸大の作品は映像のつくり方や、タッチとかストーリー・・・映像の運び方とかが、結構近いから、一つ一つはすごいのに、見てる側としてはまとめて見るから、作品同士で新鮮味を食い合っちゃうというか、順番が後になるほど不利っていうか、一つ一つの作品の100%の感動を味わえてない気がする。

山元
だねぇ。

今津
もっと他にも考えたらあるんだろうけど、今のやり方を知っちゃったせいでそういう風になってるんじゃないのかなっていう・・・

山元
確かに。この紙を使わないといけないとか、この穴が開いた紙を使って、ちゃんとやらないといけない、これでこういう風にスキャンしてここで色塗ってそれを取り込んでっていうのをしないといけないっていうのがたぶん芸大のやり方なんのかなって気がする。

芸大の子はやっぱりデッサン力が高いので基本的に作画アニメーションでかつセル塗りではなくアナログ着色で動かすって言うのが王道な気がするんだけど、うちの大学に関して言えば、まず絵が描けないのでみんな、絵が描けないっていうところからスタートしなきゃいけないのと、映像を作る手法もないので、まずコマ撮りで写真で撮るところから始めたり、要するに、絵を描かないでいい作品つくれないかとか、制限からまず発想が始まるんですよね。たぶん今津くんも似たような感じだよね?

今津
わかる。

山元
手法を考えるっていうかね。これでどう一番かっこよく見えるかとか、今ある技法で一番すごく見える面白くなるっていうところから始めなきゃいけないので、それをやってたら、あ、独自の変な手法ができちゃったぞみたいな(笑)。

今津
それはすごいあるかも。俺は結構3DCGが使えないからっていうのがあったかも。

ドネルモ
そうなんですか?

今津
そうですね。写真を代用したりとかっていうのは結構、実写に一番近いのが3DCGだとすると、それにどんだけ近づけられるかなっていう、写真を無理やり動かすみたいな。

山元
3Dって何が苦手かっていうとメタモルフォーゼが難しくて、思い通りコントロールするってなるといろいろプラグイン買い足したり英語読んだり大変。どうしてもかっちりしたカクカクした表現、メカとかロボットとかより技術的に難しくなっちゃうんだよね。メタモルフォーゼさせちゃうと。自由度が高そうで作画とかアナログ画材をつかって感覚ごり押しじゃなくて、手続き的なスキルをしないとエラーが出ちゃうっていうことにかなり制限があるなっていうのが3Dだったりするんだけど。

今津
そうなんだ。そういうの知らずにやってるから。3Dは3Dで大変なんだね。

山元
そうそう。CG的な表現でみんな作ろうとするから、技術にひっぱられたような作品ができちゃうのが3Dの悲しいところかなという気がしてる。

今津
そうなんだ。

山元
3Dでできる範囲で、顔の表情とか不気味の谷の問題であんまり出せないからロボットにして、ロボットのバトルにしようとか。あと、3Dやってる人って基本的に商業アニメを見過ぎているからストーリーとかもあんまり面白くなかったりする気がする。

今津
そうなんだ?

山元
3Dやってる人は、ロボットアニメ観まくってて、アニメからインスパイアされてアニメーション作るから、どうしてもバトルものにいく(笑)。映画とか観てないっていうかね、そういうところで、俺あんまり3Dが得意かっていうとそう得意ではないというか、3D が上手い人に比べるとはるかに下手なんだけど、でも自分のアドバンテージとしては、結構ヒューマンドラマ系、リトルダンサーとかアメリだったりとかライフイズビューティフルだったりとかニューシネマパラダイスとか、ああいう映画が好きだから、そっちの路線で人を描くっていうので闘えるなって思って、そういう気はしてて。

今津
そうか。確かに珍しいかも。ヒューマンドラマで3DCG好きっていう・・(笑)。

山元
そういうところを審査員の人があまり評価してくれなかったり、してくれたりっていうそんな感じだったんだけど、ここが一番観てほしいっておもってたりする(笑)

ドネルモ
今津さんの最初の発想も、山元君の戦略も、すきま産業的なものへ向かう想像力というか、そうしたすきまを見出そうとするそもそものモチベーションの問題と作品が密接につながってることがわかって、面白いお話でした。

お二人とも、長い時間ありがとうございました!(了)

 

 

 

 

 

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11/04/30 04:45 | コメント(0) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーのはてなブックマーク数 Buzzurlへ追加このエントリーのBuzzurlブックマーク数 livedoorクリップへ追加このエントリーのlivedoorクリップ数 Yahoo!ブックマークへ追加人が登録 POOKMARK Airlinesへ追加 Saafへ追加 ニフティクリップへ追加 add to del.icio.us add to Digg add to Reddit

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